人類はなぜ音楽を生み出したのか。そのルーツを探るため音楽人類学者・矢野原佑史らはカメルーンにやって来た。矢野原佑史は人類の原初的な音楽の姿を探るため20年近く熱帯雨林の奥地に通っている。彼らの名前はBAKA(バカ)。「バ」は森。カは「人」。森の民という意味。BAKAの人々は矢野原佑史らを笑顔で迎えてくれた。住んでいるのは葉っぱと木の枝で作った家。食べ物を求めて森の中を移動しながら暮らす狩猟採集民族。BAKAの人々が集まると急に歌が始まった。言葉で伝えるよりも音楽で伝えるのがBAKAのやり方だという。朝、女性たちが洗濯をしていると急に川を叩き水太鼓を始めた。夕方、夕飯の準備の傍ら歌が始まった。「イエリ」は先祖代々伝わってきた大事な歌だという。みんなで歌うのがBAKAのやり方で誰も1人では歌わないという。長老は「ひとりで歌ってもいい歌にはならない」などと話した。皆で歌う歌を個別のマイクで録音し、その秘密を探った。
