今年7月の大統領選挙を巡り、混乱が続いている南米のベネズエラで、勝利を主張している野党側の候補者に対して検察が扇動などの疑いで逮捕状を請求した。現職のマドゥーロ政権は選挙での当選の既成事実化を進めながら、野党側への強権的な対応を強めている。今年7月に投票が行われたベネズエラの大統領選挙について、選挙管理委員会は現職のマドゥーロ大統領が当選したと発表したが、野党側はゴンサレス候補が67%の票を得て勝利したと主張しているほか、周辺国などから詳しい選挙結果の公表や見直しを求める声が相次いでいる。こうした中、ベネズエラの国営テレビは2日、検察がゴンサレス氏に対し、扇動などの疑いで逮捕状を請求したと伝えた。検察は政権側の影響下にあるとされ、これまでも野党がインターネットで偽りの集計結果を公表しているなどとしてゴンサレス氏に対し、裁判所で証言するよう求めてきた。こうした動きについて、野党側は「ゴンサレス氏に対する脅しは我々を一層団結させ、ベネズエラの国民や世界からの支持を増やすだけだ」としてSNSを通じて批判している。マドゥーロ政権としては選挙での当選の既成事実化を進めると共に、今後も野党側には強権的な対応を続けるものと見られる。