長方形にカットされて並べられていく緑色の個体は、お餅ではなく野菜で作った石けん。この“野菜石けん”を作っているのは、農家の原田憂子さん(50歳)。原田さんによると、規格外の売り物にならない野菜や、そもそも収穫をしないキャベツの外側の葉っぱなどは、そのまま廃棄になってしまうという。原田さんは「基本的にはまだまだ食べられる物なので、家でも消費しますし、親戚だったり、ご近所に配ったり」「まだ食べられるのに(廃棄され)もったいないなというものを毎年、見てきた中で、それを使って何か作れないかなという思いから石けん作りになった」と話し、自宅や近隣住民などで廃棄野菜の消費をしているが、それだけでは追いつかないほどだという。“どうしても消費しきれない廃棄食材を有効活用したい”という思いから、今では野菜以外にも、ひじき、キクラゲといった地元で出た廃棄食材も石けんにしているという。原田さんが石けん作りを始めたのは5年前で、趣味で手作り石けん教室に通っていたそうだが、そこで学んだ技術を応用して1年間、試行錯誤を重ねて“野菜石けん”を完成させた。原田さんは「うちの畑だけでもたくさんあるが、他にもいい素材で捨ててしまう物があるので、身の回りのもったいないなと思う物を有効利用していきたいと思う」と話す。