EU離脱は正しい選択だったのか。イギリス国民が離脱を選んだ歴史的な国民投票から今年で10年。当時、国の主権を取り戻す、EUのルールに縛られない国になると訴えた離脱派の主張は国民の支持を集めた。今年6月の世論調査では「離脱」に投票したのは「間違いだった」と答えた人が6割近くにのぼっている。イギリスはこの10年で何を得て何を失ったのか、現地を取材した。チーズメーカーで働くサイモン・スプレルさんは元は別のチーズメーカーの経営者だった。EU加盟国とも取引していたことから「離脱」に反対し、10年前の国民投票で「残留」に票を投じた。その事業はEU離脱によって一変した。EUへの輸出には新たな通関手続きや検疫の書類が必要になった。膨大な書類作成や確認作業が発生し、輸出コストは大幅に増加。会社は2年間で1億円あまりの損失を計上した。EU市場で築いてきた販路は縮小し、スプレルさんは離脱から2年あまりで会社の売却を決断した。現在は別のチーズメーカーで販路拡大にあたっているが、EU離脱についての考えは今も変わらないという。
EU離脱を支持した人たちは10年をどう見つめているのか。イギリス有数の漁港ブリクサムで水揚げされた魚の多くはEU向けに輸出されている。漁師のローレンス・ギルソンさんは10年前の国民投票で、EU各国の漁船による操業が制限されイギリスの海を取り戻せると期待し「離脱」に票を投じたが、現実は期待と異なった。離脱に関するEUとの交渉でEU加盟国の漁船による操業は継続されることになり、離脱後は期待したメリットを得ることはできなかった。地元の漁業団体も危機感を強めている。イギリスが譲歩を迫られる状況が続けば、産業そのものの存続が危ういという。離脱によって主権を取り戻したとされるイギリスだが、キングス・カレッジ・ロンドンのアナンド・メノン教授は離脱で被った経済的な影響は大きいと指摘する。
EU離脱を支持した人たちは10年をどう見つめているのか。イギリス有数の漁港ブリクサムで水揚げされた魚の多くはEU向けに輸出されている。漁師のローレンス・ギルソンさんは10年前の国民投票で、EU各国の漁船による操業が制限されイギリスの海を取り戻せると期待し「離脱」に票を投じたが、現実は期待と異なった。離脱に関するEUとの交渉でEU加盟国の漁船による操業は継続されることになり、離脱後は期待したメリットを得ることはできなかった。地元の漁業団体も危機感を強めている。イギリスが譲歩を迫られる状況が続けば、産業そのものの存続が危ういという。離脱によって主権を取り戻したとされるイギリスだが、キングス・カレッジ・ロンドンのアナンド・メノン教授は離脱で被った経済的な影響は大きいと指摘する。
