イルカショーで盛り上がる神奈川県にある新江ノ島水族館はクラゲやペンギンなどおよそ660種、2万4200もの生き物が飼育されている。プールの横でショーを見守るこちらの女性が今回のスター。動物たちの命と健康を守る看護師、矢作茉奈は日本の水族館では10人ほどしかいない「愛玩動物看護師」だ。彼女は獣医師の指示のもと動物の健康チェックや治療の補助などを行うこの水族館で唯一の看護師だ。朝8時、矢作の仕事はイルカの健康チェックから始まる。口の中に異物はないかとか体全体に傷はないか確認。続いてオットセイ。1か月後に健康診断を予定しているため、この日は採血の注射の練習。暴れないようにスキンシップを繰り返して信頼関係を築いていく。小さいときから大の動物好きだった矢作は動物と関わる仕事に就きたいと考え、水族館の看護師になろうと決めたのは大学生のときだった。この水族館でイルカ飼育の研修を受け、体調を崩さないよう献身的に世話をするスタッフを目の当たりにした。矢作が今気にかけている動物がいる。4月に生まれたゴマフアザラシ。生まれたばかりの動物を担当するのは初めてで、アザラシの出産もこの水族館では初のこと。彼女は生まれる前からその健康を見守ってきた。見た目も変わって成長してきた赤ちゃんだが、いつ急に体調を崩すか予測がつかない。餌や飼育環境など細かいことに気遣いながら時間があるかぎり寄り添う管理を続けている。彼女が担当していたアザラシの赤ちゃんなのだが大人のアザラシとも一緒に泳げるようになったということだそうで現在、その姿が公開されている。