別名「タイワンリス」とも呼ばれる「クリハラリス」は東南アジア一帯に広く分布するリスの一種で、繁殖力が強く、生態系や農作物に大きな被害をもたらすおそれがあることから特定外来生物に指定されている。九州ではこれまで離島や半島以外では確認されておらず、県内では大分市の無人島・高島でのみ生息が確認されていたが県によると、おととし別府市でもクリハラリスの定着が確認された。県は早期に対策を講じないと九州全域に分布が拡大し、生態系などに影響を及ぼす可能性があるとして別府市と共同で防除実施計画を策定することになった。計画はことし4月から2032年3月31日までの7年間で、別府市内の各地に「箱わな」を設置して封じ込めを図り、最終的に根絶することを目指すとしている。県自然保護推進室は「生息域が阿蘇くじゅう国立公園に隣接しているので侵入を防ぐのは喫緊の課題だ。九州の豊かな自然環境を未来につなぐためにも早期に防除を進めたい」としている。