民間の化学メーカーが運営する千葉・佐倉市・DIC川村記念美術館は、モネやルノワールなど750点余の絵画や彫刻などを所蔵しているが、厳しい経営状況が続き来年3月末に休館することになっている。運営会社によるときょうの取締役会で、来年4月以降、規模を縮小したうえで都内へ移転し、保有する作品を4分の1程度に減らす方針を決めた。これに伴い多くの作品の売却を検討していて、「来年中に一部の売却に着手し少なくとも100億円程度の売却益を目指す」としている。美術館を巡っては存続を求める署名が5万件以上集まるなど現状での継続を望む声も根強くあったが、運営会社は「これだけの規模を維持していくのは難しい」としたうえで、「美術館運営の社会的価値を今後も大事にしていきたいという強い思いがあるので今回、閉館ではなく継続する決断となった」と話している。