イランの大統領選挙は先月、ヘリコプター事故でライシ大統領が死亡したことを受けて行われるもので、28日、投票が始まった。投票時間は3度延長された末に28日夜中まで投票が行われ、現在、開票作業が続けられている。大統領選は選挙を監督する護憲評議会の審査を経た4人の立候補者によって争われている。そのうち、欧米と対立する保守強硬派のイラン議会のガリバフ議長と、ジャリリ元最高安全保障委員会事務局長、欧米に融和的な改革派のペゼシュキアン元保健相の3人が有力候補と見られている。一方、最高指導者ハメネイ師による体制に反対する候補者の立候補は認められていないことなどから、ノーベル平和賞を受賞したイランの人権活動家のナルゲス・モハマディ氏らは投票のボイコットを呼び掛けていて、投票率も1つの焦点となりそう。大勢は29日に判明する見通しで、過半数の票を得た候補者がいない場合は上位2名による決選投票が行われる。