備蓄米の放出から約2か月が経ったが、うまく流通していない。JA全農から卸売業者には落札数量の41%しか渡っていない状態だが、松平氏は精米や袋詰めに時間がかかりさばききれていないのではとの見方を示している。また備蓄米の倉庫が東日本に集中している、トラックの手配の困難、卸売業者が購入するためにかかる約3週間の手続き、コメの複雑な流通なども背景にあるという。農林水産省は今月16日に入札方法の見直しを発表。優先枠の設置、直接販売、買い戻し期限の緩和の3つの新ルールを導入した。店頭に並ぶまでの時間は短縮されるが配分の問題などが課題になると思われる。新ルールについて、JA全農は「現時点で詳細を確認できていない」、サプライズ・マスダ(卸売業者)は「どうやって入ってくるのかルートがわかっていないので本当に入ってくるかわからない」、日本米穀商連合会は「現状として農水省から連絡もない」とのこと。片岡米穀店は「出荷業者と取引がないのが現状」「これまで卸売業者が行っていた精米や袋詰めの作業をコメ店が担うことになれば負担が大きくなる」という。価格について松平氏は、ルール緩和により7月にかけ3800~3900円くらいになるのではと予想。備蓄米は需要と供給のバランスをとるのが非常に難しく、今年の新米の収穫量が多ければ余ってしまう懸念もあるという。