愛知県安城市の大手自動車部品メーカー。2035年に自社のCO2排出量ゼロを、2050年に海外の取り引き先を含めたサプライチェーン全体の排出量ゼロを掲げている。そのために新たに立ち上がった部署がカーボンニュートラル推進センター。工場の生産管理の部署から異動してきた春田拓弥さんは、2年ほど前からCO2排出量を見える化するスキルを磨いてきた。CO2の排出量は電気などのエネルギー使用量から算出する。ただ排出量の計算は製品ごとに行う必要があり、製造など全ての過程を調べなければならない。そのため工場に赴き、製造ラインごとの使用電力を細かく計測して分析する。ある製品の排出量を時系列で示したグラフ。工場ごとに排出量を色分けして見える化している。この製品は濃いピンクに当たる工場で、最も多くCO2を排出していることが明らかになった。工場を特定したあと工場内のどの電力の使用を減らし、CO2が削減できるかを検討する。今回、空調設備の電力使用量が高いことが分かり、工場の担当者と削減方法を議論することにした。春田さんは海外の工場でも排出量を見える化できるようスキルアップを目指していきたいという。