フランスのサント・シャペルには高さ15mの壁面すべてにステンドグラスがはめ込まれている。描かれているのは様々な聖書の場面。ステンドグラスは着色ガラスの小片を鉛の桟で結合し絵や模様を表現したもので、宗教画と同じく文字が読めない人にもキリスト教を布教することが役割だった。現存最古のステンドグラスはドイツの修道院で出土されたキリストの頭部の破片で9世紀頃の作と考えられている。12世紀にヨーロッパ各地でゴシック様式の建築が流行し、教会の天井が高くなるとそれに伴ってステンドグラスもより大きな物が作られるようになった。フランス・シャルトル大聖堂のステンドグラスはこの時代の最高傑作。16世紀になると新しい顔料が登場し色彩が飛躍的に増え油絵のような表現も可能になったが、透明度が下がり17世紀~18世紀にかけてステンドグラスは冬の時代を迎える。優れたものが再び作られるようになったのは19世紀に入りゴシック建築の復古運動が起きたことによる。さらに、アール・ヌーヴォーが流行し新たな素材を用いた斬新な作品が登場すると、ステンドグラスは公共建物や個人の住宅にも広く普及した。
依頼品はかつて教会の窓に用いられていたというステンドグラス2点。いずれも大きさは縦2m7cm、横67cm。色ガラスにグリザイユで輪郭線を描き、花や植物が表現されている。伝統的な技法が用いられていることからするとかなり古いものと思われる。果たして鑑定やいかに?
依頼品はかつて教会の窓に用いられていたというステンドグラス2点。いずれも大きさは縦2m7cm、横67cm。色ガラスにグリザイユで輪郭線を描き、花や植物が表現されている。伝統的な技法が用いられていることからするとかなり古いものと思われる。果たして鑑定やいかに?