先月末サンパウロの中心部で政府の経済政策に対する抗議集会が開かれていた。長年人々に親しまれてきたコーヒー。いま、その価格が急激に上昇している。1キロ約30レアルだったものがこの1年で65レアルに日本円にして790円から1710円と2倍以上に高騰した。なぜ、これほどまでに急激に価格が上がったのか。理由のひとつが気候変動によるものとみられる異常気象。取材した男性の農園では去年干ばつで雨が長期間降らずに豆が小さくなったことから収穫量が約30%近く減少。さらに森林火災が起き、畑の3分の1に被害が出たという。全国的にも収穫量が当初の見通しから減少したことで市場での価格上昇に繋がった。もうひとつの要因と指摘されているのが海外の輸出。近年中国などアジア諸国で需要が高まり輸出が増加。去年は前年比で30%増え。過去最多の303万トンを記録。在庫が減少したことで国内の価格上昇に繋がった。さらに輸出を後押ししたのが通貨レアルの相場。財政悪化の懸念などから去年1年間でドルに対して約25%も下落。レアル安が加速した。安いコーヒーが求められる中、スーパーなどに出回ったのが偽コーヒー。地元メディアはコーヒーと偽物をかけてcafakeと報じている。コーヒーの豆がらやトウモロコシなどを焙煎したと見られている。健康被害お恐れがあるとして政府が取締を強化する事態にまで発展した。
コーヒー価格の高騰はブラジルの文化を壊しかねないと懸念の声が広がっている。リオデジャネイロでカフェを経営するヤンセル・ガリンドさん。母が営んでいた書店を改装し2003年に店を開いた。ブラジル各地から厳選した豆を仕入れてこだわりのコーヒーを提供してきたガリンドさん。仕入れ価格は2倍に上がったが、他のコストを抑えることでできるかぎり価格に転嫁しないよう工夫している。しかし、それも限界があるため少しでも早く価格が落ち着くことを願っている。
コーヒー価格の高騰はブラジルの文化を壊しかねないと懸念の声が広がっている。リオデジャネイロでカフェを経営するヤンセル・ガリンドさん。母が営んでいた書店を改装し2003年に店を開いた。ブラジル各地から厳選した豆を仕入れてこだわりのコーヒーを提供してきたガリンドさん。仕入れ価格は2倍に上がったが、他のコストを抑えることでできるかぎり価格に転嫁しないよう工夫している。しかし、それも限界があるため少しでも早く価格が落ち着くことを願っている。