田中さんは「ロンドンに出張すると街中にMIND THE GAPという言葉が出ている。足もと注意という標識。欧米の投資銀行にいた時、リサーチチームの中心はロンドンだったがチームの連中がMIND THE GAPとよく使った。それで24年の日本について考えてみようと。3ヶ月前にこのコーナーに出たときは10‐12月期はアメリカ経済に陰りが出て相場の潮目になると話した。順調に景気、インフレ、金利について陰ると。順調に進んだ場合でも段差があるのではないか、そこを警戒したほうがいい。米株は金利が下がることを警戒して株高になっているが、金利が下がった先で景気が悪化するのではとなると株安になる。金利の上昇が一服してくると中間安堵があって株が上がることがある。23年に生成AIというテーマが出て上がった。これがなければ上がったのか。生成AIに絡む7社だけで上がって指数全体も上がっている状況だった。生成AIなければ大手をふって株を買う推奨ができる年だったのか疑いを持っている。日本株2023年素晴らしい年のように見えて、業績がいいとか改革もとかバフェット効果とか語られているが、日本株を手掛けてみようと見ると、アメリカ株に合わせていることと為替に反応して動くという部分で動くを説明できてしまう。アメリカ株とドル円から段差を考えてみようと。ドル円相場は米金利にそって動いている。アメリカの長期金利が下がって3.75%にもなれば140円割れる方向になるだろうと3%になれば130円に近づくのではないかと。米金利が下がり景気が悪くなってドル円も下がるとなると日本株は圧迫される。米株が一線越えて景気が悪い、円高もきつくなる、日本株はWで圧迫される。このシナリオはマーケットでも別れている。2023年も陰るという見通しを出していたがそれが逆ブレしている。軟着陸で様子を見てどっちに転がってもいいというスタンス。私は陰りが出るという方向性がはっきりしてれば工夫の余地はある。腰を据えてやる場面かというとちょっと違う。段差を越えて時間を長くとって時間分散でならす方法と、新たな金融相場まで構えを作る。ドル資金での投資はETFを含む債権買い、株は景気悪化や金利下げ渋りに耐性のある業種・テーマなどが選別対象。円での対米投資は円高以上に値上がりする資産より長期で目先の円高リスクを中和できる投資。円高=米金利低下を待って動く。日本株への投資は日銀の緩和見直しで円高という段差や米株とドル円それぞれの段差次第と常に意識する」などと述べた。