ニューヨーク証券取引所から東海東京証券アメリカ・芝田達裕が解説。27日のニューヨーク株式市場について。S&P500。エヌビディアの決算やPCE(個人消費支出)待ちで動意に乏しく、限定的なレンジ内での動きに終始。エヌビディアの決算では、一部報道で明らかになった次世代半導体・ブラックウェルの量産遅延の原因と今後の見通しをエヌビディア・フアンCEOがどのように説明するか注目。元来エヌビディアの半導体は高水準の消費電力、発熱が特徴。ブラックウェルを搭載するサーバーは、モーターファンによる空気の冷却だけでは連続稼働が困難なため、液体で冷やす仕組みが導入される見込み。遅延は半導体コアを接続する箇所の設計上の欠陥をTSMCが指摘したためとみられていて、膨大な発熱と処理能力の追求との兼ね合いの限界点に達しつつあるのではとの懸念がくすぶっている。AI(人工知能)構築の学習プロセスに対応されているGPU(画像処理半導体)が、AIの本格導入時に要求される推論プロセスには不向きとの指摘もある。マイクロソフトやメタなどの大手ユーザーもシングルソースに依存したAI構築の脆弱性を再認識する中、フアンCEOの技術面に関するコメントに注目。