事件の翌日、ニューヨークのトランプ・タワー前にはトランプ氏の支持者たちが集まっていた。暴力に屈しない姿勢をみせたトランプ氏を称え強い指示を口にした。中には民主党への不信感を募らせる支持者もいて、興奮のあまり通行人に暴言を吐く場面もあった。きょう行われた共和党大会で副大統領候補に指名されたバンス氏は、トランプ氏は権威主義的なファシストで阻止すべきだというバイデン陣営の主張が暗殺未遂につながったとSNSで批判していた。共和党大会の会場の外には反トランプを訴える人や民主党の支持者が集まっていた。SNSには事件はトランプ氏のでっち上げだという言葉が相次いで投稿された。事件を機に互いへの不信感を募らせ、分断をいっそう深めるアメリカ社会。政治と暴力を研究するリリアナ・メイソン氏は分断が暴力の引き金となる恐れを指摘している。トランプ氏が大統領に就任した2017年頃から党派対立や社会の分断がより深まってきたアメリカ、政治的対立が暴力につながる事件が相次いできた。白人至上主義者が活動を活発化させ、それに対抗するアンティフアとの衝突が激化した。3年前には議事堂乱入事件が起きた。専門家は相反する政治的思想を持つ人を受け入れない考えが広がり、暴力を生んできたと指摘する。今回の事件でバイデン大統領はこれまで続けてきたトランプ氏への攻撃を一時的に控えざるを得ない状況になっている。トランプ氏はきょう、支持者の前に姿を現し自らの健在をアピールした。専門家は今回の選挙ではアメリカの民主主義がかつてなく問われると指摘。