EVなどに欠かせないモーターについて。中国で産出されるレアアースを使用せずに製造できるという新たな技術開発が進んでいる。今月、米国ラスベガスで開かれたテクノロジーの見本市「CES」。最新技術を展示するコーナーで注目されていたのは、日本のベンチャー企業が開発したモーター。EVなどの高性能なモーターは、高い熱に耐えられるよう回転する磁石にレアアースの一種「ジスプロシウム」や「テルビウム」を混ぜる必要があるが、このモーターはそれらを使っていない。中国に依存しないで作れるのが特徴。この会社が使っているのが、独自に開発した特殊な金属。エネルギーの損失が少なく、モーターの温度が高くならないため、耐熱性の高いレアアースを使う必要がない。会社によると、この素材をモーター用に加工したのは業界初だということで、すでに国内や欧米の自動車メーカーから試作品の発注が相次いでいる。こうした経済安全保障に関わる技術開発は、国も後押しをしている。