アメリカ・トランプ大統領は一方的に8月以降の関税率を22カ国に通告した(日本を含む)。9日に発表した8カ国のうち7カ国は20~30%だがブラジルは50%(4月時点は10%)。トランプ大統領が公表したブラジル宛ての書簡には「ブラジルの関税や非関税政策、貿易障壁により長年続いてきた非常に不公平な貿易関係から脱却しなければならない」と記載されている。ブラジル以外の21カ国(日本、イラクなど)への書き出しは「光栄です」とあるが、ブラジルには「ボルソナロ前大統領をとても尊敬している」と記載されている。
ブラジル・ボルソナロ前大統領は過激発言でブラジルのトランプと呼ばれ、トランプ大統領と良好な関係だった。しかし、2022年の大統領選で落選しクーデター未遂で起訴されている。トランプ大統領はボルソナロ氏の訴追を「魔女狩り」と批判している。ルラ大統領は「国家の独立性を損なうような干渉や脅迫を受けることはない」と猛反発しボルソナロ氏の裁判は継続、トランプ関税には報復を示唆している。JETRO調査部中南米班・辻本希世課長代理は「輸出相手国側が阻害するような措置を取ったときにブラジルも同様の措置を取れる相互法みたいな法律が今年議会で承認されている」、同志社大学大学院・三牧聖子教授は「ブラジルをターゲットにして新興国に脅しをかけている」と指摘。新興国グループ「BRICS」(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の会合でルラ大統領は「SNSで他人を脅すのは大統領として非常に間違っていて無責任」と批判。他国への内政干渉とも言える行動にはトランプ大統領の焦りが見えるという。三牧教授は「一番誰よりも焦っているのはトランプ大統領かもしれない」と指摘。
ブラジル・ボルソナロ前大統領は過激発言でブラジルのトランプと呼ばれ、トランプ大統領と良好な関係だった。しかし、2022年の大統領選で落選しクーデター未遂で起訴されている。トランプ大統領はボルソナロ氏の訴追を「魔女狩り」と批判している。ルラ大統領は「国家の独立性を損なうような干渉や脅迫を受けることはない」と猛反発しボルソナロ氏の裁判は継続、トランプ関税には報復を示唆している。JETRO調査部中南米班・辻本希世課長代理は「輸出相手国側が阻害するような措置を取ったときにブラジルも同様の措置を取れる相互法みたいな法律が今年議会で承認されている」、同志社大学大学院・三牧聖子教授は「ブラジルをターゲットにして新興国に脅しをかけている」と指摘。新興国グループ「BRICS」(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の会合でルラ大統領は「SNSで他人を脅すのは大統領として非常に間違っていて無責任」と批判。他国への内政干渉とも言える行動にはトランプ大統領の焦りが見えるという。三牧教授は「一番誰よりも焦っているのはトランプ大統領かもしれない」と指摘。