パリオリンピックのボクシング女子57kg級の試合。台湾・林郁婷選手がウズベキスタンのシトラ・トゥルディベコワ選手を相手に判定勝ちを収めた。林郁婷選手は去年の世界選手権で一度は銅メダルを手にしたが女子選手としての資格がないとされメダルを剥奪された選手。勝利後、インタビューをすべく待っていたが2人とも現れなかった。主催者側も理由が分からないと話し異例のことだという。もう1人、性別を巡って議論になっているのが前日に行われた女子66kg級でイタリアの選手と対戦したアルジェリアのエイマヌン・ハリフ選手。開始から46秒、ハリフ選手の強烈なパンチを受けたイタリアのアンジェラカリーニ選手が鼻の痛みを訴え途中棄権。ハリフ選手が勝ち進んだ。ハリフ選手は女性選手として東京オリンピックにも出場。5位入賞を果たしたが去年の世界選手権では林郁婷選手と同様、失格に。男性の染色体を持つとされ性別検査で不合格とされた。しかし、その判断をした国際ボクシング協会は去年、ガバナンスの問題でボクシング統括団体としての地位をはく奪されパリオリンピックではIOCが競技を統括することに。IOCはハリフ選手と林郁婷選手の出場を認めた理由としてパスポート上では女性でこれまでも競技に参加してきたことを挙げた。ただイタリアのメローニ首相はハリフ選手の出場に異議。一方、アルジェリアオリンピック委員会はハリフ選手に対する批判を悪意ある攻撃だとして非難。2日に行われた会見でIOCはハリフ選手について「トランスジェンダーではない」とコメントした。ハリフ選手は日本時間のあさって準々決勝に出場する予定。