米国のブルームバーグ通信は10日、バイデン大統領が安全保障上の懸念を理由に、買収を正式に阻止する計画だと関係者の話として報じた。報道を受け、米国の株式市場ではUSスチール株が急落。一時、前の日の終値に比べ、22%近く下落した。買収をめぐってはCFIUSが、安全保障上の懸念について審査していて、遅くとも、今月23日までにバイデン氏に審査の内容を報告する見通しでそれを受けて阻止するかどうか判断するとみられている。また、次期大統領のトランプ氏も、USWも一貫して買収に反対を表明していて、日鉄は厳しい状況に置かれている。こうしたなか、日鉄は今日の報道を受け声明を発表した。買収が完了した場合、USスチールの米国の従業員に対し、1人あたり5000ドルのボーナスを支給することを明らかにするなど、買収を進める姿勢を改めて強調した。ブルームバーグ通信によると買収が阻止された場合、日鉄とUSスチール側は訴訟を起こす用意があるという。