第2戦スウェーデンは2月15日~18日に開催された。区間は18本、総距離120km。各ステージのタイムを合計し、最も速いものが勝者。特徴は世界ラリー唯一のフルスノーラリー。最高速度200キロに及ぶ。可能にしているのは特殊な金属製のピンを打ち込んだスタッドタイヤで、ピンガ路面を捉えることで雪道も走行可能。2022年・23年にドライバーズチャンピオンに輝いたカッレ・ロバンペラにとってシーズン初戦となる。2023年出場のフォーミュラドリフトジャパンを始め様々なモータースポーツに挑戦することで更なるステップアップを目指していた。大会初日、カッレ・ロバンペラが快走をみせステージ1で最速タイムをマーク。勝田貴元も2番手のタイムをマークするなどトヨタ勢が上位を占めた。2日目、カッレ・ロバンペラが匠に雪道を走行し最速タイムを叩き出し2位以下を突き放す。ところがステージ4でカッレ・ロバンペラの車が路面に停車した。無念のデイリタイアとなった。アクシデントはエルフィン・エバンスにも。スリップで360度回転しリカバリーしたもののタイムロス。一方、ヒョンデのオイット・タナックもクラッシュ。開幕戦で優勝したティエリー・ヌービルもマシントラブルに見舞われた。その中、躍動したのは勝田貴元。攻めの走りを見せて多くのドライバーが苦しんだステージ4で今シーズン初の最速タイムをマーク。2位に11秒以上の差をつけトップで午前中を折り返した。雪が増した午後、勝田貴元は作戦を変更しリスクを回避した安全策に出る。猛追したのはヒョンデのエサペッカ・ラッピ。ステージ6で最速タイムを記録し差を縮める。2日最後のステージでは勝田貴元が首位を奪われたが十分逆転可能なタイムで終える。実は勝田貴元、スウェーデン大会に強い思い入れがある。ラリーに転身して間もない頃、1つしたのカテゴリーで優勝した特別な場所だった。あれから6年、世界ラリーで初優勝へ3日目。勝田貴元は首位を奪い返すため猛プッシュし0.9秒にまで差を縮める。続くステージでも攻めの走りをしていた時、コーナーで雪の壁に激突し大きなタイムロスとなり再び走り出そうとするも叶わずデイリタイアとなった。最終日、トヨダ勢は諦めず猛プッシュ。今シーズンからポイントシステムが大幅に変更され2段階となった。そのため最終日で好走を見せればポイント獲得のチャンスが生まれるのだ。カッレ・ロバンペラが躍動しステージ16で最速タイムをマーク。続くステージではエルフィン・エバンスが最速タイムをマーク。最終ステージではカッレ・ロバンペラが最速タイムをマークした。総合順位はエサペッカ・ラッピが世界ラリー通算2勝目を手に入れた。