バイオマスとは、生物から生まれた資源のこと。森林の間伐材や家畜の排せつ物、生ごみも含まれる。生ごみを分別する法律がことし1月に作られたスウェーデンでの取り組みを現地で取材。ストックホルムを走るバス。家庭などで集められた生ごみから出来るバイオガスが燃料。ストックホルム市内を走るバスの約15%を占めている。生ごみの分別を義務づける法律が出来たことで、国民の環境意識は一段と高まったという。生ごみは捨てても分解される素材でできている。ごみは「燃やすごみ」「生ごみ」「プラスチック」と、分別された専用のボックスに捨てられる。回収された生ごみからどのようにバイオガスを作るのか。ストックホルム郊外にある工場では、法律が出来たことで生ごみの量が20%ほど増加。回収された生ごみは、不純物を取り除く。工場では70度ほどで加熱し、殺菌したうえで発酵させる。2週間ほどで生ごみからメタンガスと肥料を取り出すことができる。取り出されたガスはバイオガスとして出荷。肥料は農家などに運ばれて、野菜などを育てる際の肥料として活用される。スウェーデンは日本と同じように、石油や天然ガスなど化石燃料の資源に乏しい国。政府は将来、生ごみを100%、エネルギーとして循環させたいとしている。日本政府もバイオマスエネルギーの利用を推進しているが、国内には小規模な設備が多く大きな設備の建設にはコストがかかるなど、越えなければならないハードルがある。