スルメイカは不漁が続くも今シーズンは上向きになった。北海道~宮城県の太平洋側沿岸の漁獲量は高い水準になっている。これを受けて、水産庁は9月にスルメイカ漁獲枠を当初より34%拡大したが、その後も漁獲量は増え続けた。水産庁は漁獲枠を再び拡大することになり、きのう開かれた有識者会議で現在より6%多い2万7600トンにする案を示し了承された。スルメイカ漁獲枠がシーズン途中に2度拡大されるのは異例。一方、小型船のイカ釣り漁は資源保護のため、来年3月末まで停止命令が出されている。今回の割り当てでは850トン余多い5757トンになったが、先月下旬時点の漁獲量は5896トンで拡大した漁獲枠をすでにオーバーしているため、漁の停止命令は当面続くことになる。“イカのまち”として知られる北海道・函館では漁の停止が続くことに落胆が広がっている。イカ釣り体験は小型船の生きたイカを使うが、漁が止まっているため入荷されない。北海学園大学・濱田武士教授は「増えているならどこまで踏み込んでとっていいかという問題になってくる」と話し、今後の漁獲枠の設定については「情報をキャッチして科学的判断ができる体制づくりが大事。資源を守ることと漁業者の経済的活動をてんびんにかけなくてはいけない」と話した。
