不作や災害以外では史上初、合計12トンの備蓄米の引き渡しが始まった。JA全農が落札した備蓄米の一部が卸売り業者の精米工場に到着。早ければ今月下旬から店頭に並ぶ見通し。JA全農・米穀部・藤井暁部長は「(味は)普通に流通しているおコメとなんら違いのないお米」と説明。全国のスーパーでのコメ5キロ当たりの平均価格は統計開始以来初めて4000円を突破(農水省HPより)。去年の同じ時期と比べ約2倍。きょう神奈川県横浜市のスーパーセルシオ 和田町店を取材。備蓄米入荷の予定はないという。食品担当・久保田浩二さんは「4月も値上がりするという連絡を受けている」と話す。仕入れ先からのメールには4月1日からコメの価格を値上げ。さらに5月以降は、コメの在庫がなくなる見込みだと連絡があったという。都内の中小のスーパー6店舗ではそもそも仕入れ業者から備蓄米に関する話は一切なし。備蓄米どころか、今後コメを値上げすると通知されたというところも。取材を受けた大手を含む20のスーパーすべてで、備蓄米の販売予定などは、現状、決まっていないとの回答があった。コメの流通に詳しい専門家、日本総合研究所・三輪泰史チーフスペシャリストは「米卸と小売りの方々は混乱している状況。いろいろなスーパーでまだうちは備蓄米の商品の要望を出しているけど、扱えるか分からないという声が各地で聞かれている状況」と話す。JA全農はきのう備蓄米の価格について可能なかぎり抑えて販売する指針を示した一方、取り合いなどを防ぐため備蓄米と表記しないよう小売り店などに要請。三輪チーフスペシャリストは「今回コメ不足への対応という意味合いが非常に色濃いので、地元のJAなど集荷業者が落札したものを地元で流してほしいという要望が非常に各地で出ている。東京だと備蓄米の扱いがないスーパーも出てくると思う」と話す。
住所: 神奈川県横浜市保土ヶ谷区仏向町4