日本テレビ系列で去年10月から放送されたドラマ「セクシー田中さん」の原作者で漫画家の芦原妃名子さんが今年1月、亡くなった。芦原さんの大切な作品をドラマ化するに当たりどんな問題点があったのか。日本テレビはドラマ制作過程などを調査し報告書を公表した。芦原さんは9話、10話の脚本を脚本家に代わり自ら担当した経緯をSNSで明かすなどしたあと亡くなった。今年2月、日本テレビは外部の弁護士も加えた社内特別調査チームを設置。この調査はドラマ制作関係者がより一層、安心して制作に臨める体制を作ることを目的として事実関係や問題点などを調べた。調査ではドラマ制作サイドの日本テレビと原作サイドの小学館との間で大きな認識の齟齬やミスコミュニケーションが積み重なったことで信頼関係が損なわれていたことが分かった。その結果、原作者や脚本家が不満や不信感を蓄積していった経緯が明らかになった。まず、ドラマ化に当たって原作から内容を変更する改変の程度について日本テレビ側と小学館側に認識の違い、齟齬があった。原作者は今年1月、ブログなどでドラマ化するなら必ず漫画に忠実に漫画に忠実でない場合は原作者がしっかりと加筆修正することがドラマ化の条件だったとつづっている。しかし、日本テレビ側は小学館側からドラマ化の条件として明確に伝えられたという認識はなかったという。こうした認識の齟齬があったためドラマ制作サイドから原作とは内容やエピソードの順番が異なる脚本などが送られてくるたびに原作者の不信感が高まったとしている。なお、日本テレビ側は制作初期の段階で原作者と面会しておらず直接、意思疎通する機会を設けることができていなかった。調査チームは今回、契約書だけで問題を回避できたとは言い切れないとしたうえで原作者や脚本家と可能な限り早期に契約を締結することが望ましいと提言している。報告書の全文は日本テレビのホームページで公開している。