西アフリカでは天候不順や森林伐採、カカオの木の病気の影響でカカオが不作となっており、価格はこの1年で約3倍に高騰している。価格高騰はパプアニューギニアのカカオ生産地域に恩恵をもたらしている。セピック川の川沿いにはカカオ豆畑が並んでいる。カカオは去年の今頃は1tあたり約3000米ドルだったのが、現在200%以上上昇している。カカオ豆畑は当時害虫により壊滅的な被害が出たが、政府とNGOが共同で害虫や病気に強い植物の開発に取り組み、現在多くの場所で病気にかからない苗が育てられている。順調に進めば約4万tのカカオ豆が取引所を経て輸出される。パプア政府や業界はカカオ豆の輸出を伸ばし、住民の所得増加や生活水準の向上につなげたい考えである。パプアニューギニアはカカオ生産国の上位10位に迫る生産量を誇るものの、現在の供給不足の解決には程遠い。