韓国では去年1年余の宅配物取り扱い数が41億個で、日本と比較しても宅配がより暮らしに密着している。一方韓国ではドライバーの過重労働による過労死が社会問題になっていて、2021年に政府と宅配業界が過重労働を防ぐための合意を締結した。合意内容は作業時間が週60時間以内・配達時間は原則夜9時まで・分類作業はドライバーが行わないなどだが、現在も過重労働問題が解消されていないという。この合意には全ての業界企業が参加している訳ではなく、合意に不参加のあるネット通販大手のドライバーは個人事業主として歩合制契約で働いていて、早朝や深夜の時間帯に週6日程度集配センターとの間を複数回往復して配送をしている。またこの会社では朝時時点で未配達の品が1つでもあると自分の管轄地域が取り上げられ、実質的な解雇に繋がるという。こうした状況に業界の労働組合は改善を訴えていているが、ネット通販最大手の親会社は「個人事業主は柔軟な業務スケジュールを組むことが可能で、他の配達業者よりも高い報酬を得ている」などと反論している。