今年9月に行われた韓国軍創設75年を記念する軍事パレード。韓国軍が誇る戦車や弾道ミサイルなどの兵器が披露された。きょうの特集では軍事力の強化を進めている韓国の狙いとアジアの安全保障に与える影響について出石解説員とともにお伝えする。
韓国の軍事パレードは以前は5年に一回行われていたが、ムン・ジェイン政権時には北朝鮮との融和を重視しパレードを行っていなかった。北朝鮮に厳しい態度で臨むユン・ソンニョル政権になって軍事パレードが10年ぶりに行われた。今年のパレードには韓国に駐留するアメリカの兵士なども参加した。韓国の国防費の推移を見てみると24年連続で増加を続けている事がわかる。これは北朝鮮との融和を目指していた政権時でも同様。各国の国防費の金額を見てみると、アメリカがダントツで多く韓国は世界第9位。韓国が軍事料を強化する理由には全方位の脅威に備えた軍事力を強化する方針を掲げているため。例えば装備品ではイージス艦・F35AI戦闘機・超音速戦闘機KF21の導入も進めている。以前はアメリカとの約束で長距離弾道ミサイルや巡航ミサイルの配備はできなかったが出来るようになり、おととしの9月からは潜水艦から発射できる「SLBM」の発射試験に成功している。北朝鮮の核ミサイルへの備え位については3段階ある。まず発射の兆候を探知し、先制攻撃する「キル・チェーン」、第二段階では発射されたミサイルを迎撃するミサイル防衛、最後の段階で北朝鮮の指導部に対する大量反撃攻撃がある。この一環として今月2日にはアメリカの宇宙軍基地から韓国初の軍事偵察衛星も打ち上げられている。
韓国はアメリカと「核の傘」による拡大抑止の強化も進めている。今年4月、ワシントンでバイデン大統領と首脳会談を行ったが、このときには核戦力についての情報を共有することでも合意した。韓国が軍事力を強化している背景には朝鮮戦争で北朝鮮により痛い思いをしたという経験がある。また、同盟国のアメリカに過度に依存せず自国の国防力をつけたいという思いもある。特に現政権になってからは「力による平和」という考えを強く打ち出している。こうした軍事力を支えているのが韓国の高い技術力と官民一体となった防衛装備品の開発。韓国で最近行われた防衛産業の展示会では、戦闘機や戦車などが展示され、各メーカーが設けたブースで盛んに商談が行われた。以前はアジアや中東諸国が輸出先だったが、ウクライナ危機をきっかけにヨーロッパにも市場を拡大している。去年はポーランドと大型契約が締結された。また、今年はオーストラリアにも韓国製の装甲車が輸出することが決まっている。韓国は少子化が進んでいるが、人口減少に伴う兵力不足解消のため、AIやロボットなどの技術を活用した戦闘システムの開発も進められている。日本人は韓国の軍事力強化をどのように受け止めるべきなのか。出石さんは「中国は経済力・軍事力を背景に覇権を強めている。北朝鮮は核ミサイル開発を続けている。こうした東アジアを取り巻く厳しい安全保障環境を考えると、日本としては韓国が防衛力・軍事力を強化することで防波堤の役割を果たしてくれているとみることもできる。また、安全保障面でいまは日米韓の連携も進んでいるので、日米韓の抑止力も強化されていると受け止めることができる。一方、各国が競って軍事力を強化していることで緊張が高まっているというのも事実」などと話した。
韓国の軍事パレードは以前は5年に一回行われていたが、ムン・ジェイン政権時には北朝鮮との融和を重視しパレードを行っていなかった。北朝鮮に厳しい態度で臨むユン・ソンニョル政権になって軍事パレードが10年ぶりに行われた。今年のパレードには韓国に駐留するアメリカの兵士なども参加した。韓国の国防費の推移を見てみると24年連続で増加を続けている事がわかる。これは北朝鮮との融和を目指していた政権時でも同様。各国の国防費の金額を見てみると、アメリカがダントツで多く韓国は世界第9位。韓国が軍事料を強化する理由には全方位の脅威に備えた軍事力を強化する方針を掲げているため。例えば装備品ではイージス艦・F35AI戦闘機・超音速戦闘機KF21の導入も進めている。以前はアメリカとの約束で長距離弾道ミサイルや巡航ミサイルの配備はできなかったが出来るようになり、おととしの9月からは潜水艦から発射できる「SLBM」の発射試験に成功している。北朝鮮の核ミサイルへの備え位については3段階ある。まず発射の兆候を探知し、先制攻撃する「キル・チェーン」、第二段階では発射されたミサイルを迎撃するミサイル防衛、最後の段階で北朝鮮の指導部に対する大量反撃攻撃がある。この一環として今月2日にはアメリカの宇宙軍基地から韓国初の軍事偵察衛星も打ち上げられている。
韓国はアメリカと「核の傘」による拡大抑止の強化も進めている。今年4月、ワシントンでバイデン大統領と首脳会談を行ったが、このときには核戦力についての情報を共有することでも合意した。韓国が軍事力を強化している背景には朝鮮戦争で北朝鮮により痛い思いをしたという経験がある。また、同盟国のアメリカに過度に依存せず自国の国防力をつけたいという思いもある。特に現政権になってからは「力による平和」という考えを強く打ち出している。こうした軍事力を支えているのが韓国の高い技術力と官民一体となった防衛装備品の開発。韓国で最近行われた防衛産業の展示会では、戦闘機や戦車などが展示され、各メーカーが設けたブースで盛んに商談が行われた。以前はアジアや中東諸国が輸出先だったが、ウクライナ危機をきっかけにヨーロッパにも市場を拡大している。去年はポーランドと大型契約が締結された。また、今年はオーストラリアにも韓国製の装甲車が輸出することが決まっている。韓国は少子化が進んでいるが、人口減少に伴う兵力不足解消のため、AIやロボットなどの技術を活用した戦闘システムの開発も進められている。日本人は韓国の軍事力強化をどのように受け止めるべきなのか。出石さんは「中国は経済力・軍事力を背景に覇権を強めている。北朝鮮は核ミサイル開発を続けている。こうした東アジアを取り巻く厳しい安全保障環境を考えると、日本としては韓国が防衛力・軍事力を強化することで防波堤の役割を果たしてくれているとみることもできる。また、安全保障面でいまは日米韓の連携も進んでいるので、日米韓の抑止力も強化されていると受け止めることができる。一方、各国が競って軍事力を強化していることで緊張が高まっているというのも事実」などと話した。