- 出演者
- 出石直 望月麻美 中川栞
オープニング
ウクライナ軍の反転攻勢が行き詰まる中、ゼレンスキー大統領と軍のザルジニー総司令官の意見の食い違いが深まっていると指摘されている。ウクライナ政府は招集対象年齢を広げて兵役期間を伸ばす政府案で50万人の追加動員を求めているがザルジニー総司令官は「そう簡単ではない」と指摘し、反転攻勢はあまりにも欲張りすぎたと指摘した。専門家は「政府上層部の不調和は兵士や市民の士気にも影響している」「ウクライナは兵士が不足しているが、各国の支援はガザに向けられている」などと述べた。ウクライナは外国の支援に依存していて、アメリカの支援なしには武器も弾薬も足りず、ヨーロッパの金融支援がなければ兵士の給料も払えない。枯渇したアメリカの予算をEUが引き受けなければ、ウクライナは撤退しなければならない。ロシアが交渉を望まなければあと1年は長引く。2024年に行われるはずだった大統領選は戦争で延期された。
アメリカ南部のテキサス州とメキシコとの国境で法的手続きを経ずアメリカへの入国を試みて拘束される人が急増している。問題を巡り、アメリカ・ブリンケン国務長官らがメキシコを訪れて対策を協議した。今もキャラバンと呼ばれる6000人超の集団がアメリカとメキシコの国境を目指して危険な大移動を行なっている。国境を超える移民の数は記録的なものになることが予想されている。バイデン政権は、国内の移民の取り締まりの強化や検問所の再開、移民がメキシコに留まるよう求める方針。12月に身柄を拘束された移民の数は過去最高に達する見込みで、1日に1万人を超えることも数回あった。国境警備の予算案はまだ議会で成立していない。先行き不透明だが1月8日までには何か合意がなされればとの希望が出ている。
キャラバンが最初に注目されたのは2018年。当時のトランプ大統領はキャラバンについて犯罪者などが含まれるなどと不安を煽り、入国阻止のために軍を派遣する考えを示した。来年11月の大統領選挙では移民政策は大きな争点になるとみられている。バイデン政権になってから不法入国が急増し、民主党支持者からも不満の声が上がっている。野党・共和党はバイデン政権への批判を強めるとともに、ウクライナ支援の予算を認める条件として国境管理強化の費用増額を求めている。今回ブリンケン長官らがメキシコを訪れたことは、バイデン政権が対応に迫られている実情があると言える。
EUの委員長を務め、ヨーロッパの統合を推し進めたフランス人のジャック・ドロール氏が98歳で亡くなった。ドロール氏は通貨統合と単一市場を作る上で主要な役割を果たした。労働者階級の敬虔なカトリックの家庭の出身。銀行家になり1981年にミッテラン大統領により経済・財務相に任命され、4年後にはヨーロッパ委員会の委員長となった。ヨーロッパの金融危機がユーロのせいにされたこともあったが、ヨーロッパ統合を提唱してきたドロール氏には一点の疑いもなかった。
今年9月に行われた韓国軍創設75年を記念する軍事パレード。韓国軍が誇る戦車や弾道ミサイルなどの兵器が披露された。きょうの特集では軍事力の強化を進めている韓国の狙いとアジアの安全保障に与える影響について出石解説員とともにお伝えする。
- キーワード
- 韓国
韓国の軍事パレードは以前は5年に一回行われていたが、ムン・ジェイン政権時には北朝鮮との融和を重視しパレードを行っていなかった。北朝鮮に厳しい態度で臨むユン・ソンニョル政権になって軍事パレードが10年ぶりに行われた。今年のパレードには韓国に駐留するアメリカの兵士なども参加した。韓国の国防費の推移を見てみると24年連続で増加を続けている事がわかる。これは北朝鮮との融和を目指していた政権時でも同様。各国の国防費の金額を見てみると、アメリカがダントツで多く韓国は世界第9位。韓国が軍事料を強化する理由には全方位の脅威に備えた軍事力を強化する方針を掲げているため。例えば装備品ではイージス艦・F35AI戦闘機・超音速戦闘機KF21の導入も進めている。以前はアメリカとの約束で長距離弾道ミサイルや巡航ミサイルの配備はできなかったが出来るようになり、おととしの9月からは潜水艦から発射できる「SLBM」の発射試験に成功している。北朝鮮の核ミサイルへの備え位については3段階ある。まず発射の兆候を探知し、先制攻撃する「キル・チェーン」、第二段階では発射されたミサイルを迎撃するミサイル防衛、最後の段階で北朝鮮の指導部に対する大量反撃攻撃がある。この一環として今月2日にはアメリカの宇宙軍基地から韓国初の軍事偵察衛星も打ち上げられている。
韓国はアメリカと「核の傘」による拡大抑止の強化も進めている。今年4月、ワシントンでバイデン大統領と首脳会談を行ったが、このときには核戦力についての情報を共有することでも合意した。韓国が軍事力を強化している背景には朝鮮戦争で北朝鮮により痛い思いをしたという経験がある。また、同盟国のアメリカに過度に依存せず自国の国防力をつけたいという思いもある。特に現政権になってからは「力による平和」という考えを強く打ち出している。こうした軍事力を支えているのが韓国の高い技術力と官民一体となった防衛装備品の開発。韓国で最近行われた防衛産業の展示会では、戦闘機や戦車などが展示され、各メーカーが設けたブースで盛んに商談が行われた。以前はアジアや中東諸国が輸出先だったが、ウクライナ危機をきっかけにヨーロッパにも市場を拡大している。去年はポーランドと大型契約が締結された。また、今年はオーストラリアにも韓国製の装甲車が輸出することが決まっている。韓国は少子化が進んでいるが、人口減少に伴う兵力不足解消のため、AIやロボットなどの技術を活用した戦闘システムの開発も進められている。日本人は韓国の軍事力強化をどのように受け止めるべきなのか。出石さんは「中国は経済力・軍事力を背景に覇権を強めている。北朝鮮は核ミサイル開発を続けている。こうした東アジアを取り巻く厳しい安全保障環境を考えると、日本としては韓国が防衛力・軍事力を強化することで防波堤の役割を果たしてくれているとみることもできる。また、安全保障面でいまは日米韓の連携も進んでいるので、日米韓の抑止力も強化されていると受け止めることができる。一方、各国が競って軍事力を強化していることで緊張が高まっているというのも事実」などと話した。
週末の31日、ニューヨークのタイムズスクエアの年越しイベントには100万人の人出が予想されており、警察はテロの恰好の標的になると警戒している。タイムズスクエアにはもうすぐ世界中の注目が集まることから年越しのカウントダウンが攻撃の標的になる可能性がある。27日あさ、ニューヨーク市では1年で最大のイベントの準備が行われていた。タイムズスクエアには年が変わる瞬間の「ボールドロップ」を見ようと100万人以上が詰めかけると予想されている。アダムス市長は警察の対応準備は済んでいると述べた。FBIとニューヨーク警察などの関係機関はボールドロップが犯行の機会を狙う悪意ある人間や現在のイスラエルとハマスの戦闘に触発・反応した単独犯から標的になる恐れがあると分析していた。この結果、警察官を数千人配備し、金属製バリケードを何キロにもわたり設置するほかドローンと警察犬、何百台もの防犯カメラを使い群衆を守る警備計画が立てられた。今年はもうひとつ、イスラエルとハマスの戦闘への抗議デモがイベントを混乱させることが心配されるが、具体的な脅威は検知されていない。12月31日のタイムズスクエアに人々が集まるようになったのは1904年からで、ニューヨーク警察にはこの安全を守ってきた長い歴史がある。
花粉症大国のオーストラリアでは約5人に1人が花粉症を患っている。専門家は気候変動により花粉のシーズンが長期化し、勢いを増していることからこの数字は今後急増していくとみている。アレルギーと喘息がある女性の日々の生活は大変だ。専門家はシーズン中の症状が酷くなってきていると指摘する。研究者によるとアレルギーがある人達は気候変動のためにもっと頻繁に森林火災や雷雨による喘息に耐えなければいけなくなる。さらに大気中の二酸化炭素が増えると花粉は威力を増す。喘息患者の80%は花粉症があり、支援団体の調査でも明らかな傾向が読み取れる。症状がこれ以上酷くなるのは想像するだけでも辛いと女性は言う。オーストラリアでは花粉症の人の数が2050年までに70%増えると見ていて、さらに多くの人達がアレルギー対策をせまられることになる。
クリスマスの前夜、家の中ではみんなが静かに寝ていた。でも3歳の男の子は別だった。2階から階下に降りた夫妻が見つけたのは一つ残らずあけられたプレゼント、床に散らばった包装紙とひっくり返った袋だった。夫妻はただちにプレゼントをできる限り包み直し、ほかの2人の子供は何も知らずにクリスマスの朝を迎えた。
黒竜江省のハルビンで毎年恒例の氷雪祭りが開催。81万平方メートルの敷地に2000個以上の氷の像や建物を設置。最長521mの滑り台もある。氷が溶け始める2月末頃まで行われる予定。