地下鉄の「東京メトロ」はきょう東京証券取引所のプライム市場に上場し、国と東京都が保有する株式のうち合わせて50%が売り出された。取り引きは午前9時から始まり投資家からの買い注文が膨らんで価格がつかない状態が続いたが、午前10時過ぎ、売り出し価格を430円上回る1株1630円で最初の価格、初値がついた。初値をもとに計算した時価総額はことし最大の9400億円余りで、2018年に上場して初値をもとにした時価総額が7兆円余りになったソフトバンク以来の大型上場となった。株価は初値をつけたあとも1株1768円まで上昇し、時価総額は一時、1兆円を超えた。上場によって売り出される株式のうち国の保有分の売却収入は東日本大震災の復興財源に充てられる。一方、東京都の保有分の売却収入については今後、どのように使うかを検討するという。東京メトロは売り上げのおよそ9割を鉄道事業が占めていることから、投資家に対し事業の多角化などの成長戦略をいかに示すかが試されることになる。