デビュー55周年を迎える、漫画家・あだち充。55年を振り返って、つい最近デビューしたつもりでずっとやって来たが、55周年と周りから言われて長いこと描いているなと実感しているとのこと。自身を「全力投球するタイプの漫画家ではない」と話すあだち。仕事だと思ったら続けられないと言い、一度も仕事だと思ったことはないと話した。19歳で漫画家デビューしたあだち充、30歳の時に始めたのが「タッチ」の連載。これまで描いた作品は、読み切りを含め100作以上。74歳となった今も連載を持ち新しい作品を生み続けている。「ヒット作を出そう、大家になろうという意識はなく力を抜いて好きに描いている」というあだち、今もそのスタンスで描き続けているとのこと。好きに描いてきたという言葉通り、「タッチ」の場合も最初に決まっていたのは、主人公2人のうち1人が亡くなることだけ、他の設定は決めずに描き始めたという。現在開催中の55周年を記念した企画展では、貴重な原画と共に様々な名シーンがどう生まれたのか紹介されている。表現のこだわりについて「グレーな部分」や「曖昧な部分」を大切にしたいと話し、創作する上でのインプットは中学・高校の間に影響を受けた本・映画・音楽が根っこにあるとのこと。あだちの作品は連載作品26作中20作が中高生の主人公、時代が変わっても青春にこだわる理由は、環境など変わっている部分はあるが変わらない部分・感覚は今でもある。初恋の感じは高校時代と変わらないと信じ、「ここに戻ってくればホッとする世界がある」というところに自分の漫画があるとありがたいと話した。
