イルミネーションで彩られ、クリスマスムードに包まれている。これは独裁的なアサド政権が崩壊したシリアの首都ダマスカス。人々から聞かれたのは、国の再建に向けた願い。新たな国づくりが急がれる中、暫定政権は、新しい外相と国防相にアサド政権を崩壊させた組織の関係者を相次いで任命した。ダマスカスの中心部を離れて広がっているのは惨状。あまりに長すぎた内戦の爪痕。アサド政権崩壊から2週間。暫定政権の組閣作業を主導しているのは、政権を崩壊させたシリア解放機構のジャウラニ指導者と見られている。新しい外相に任命されたのは、37歳のシェイバニ氏。関連組織の政治部門出身で、トルコに留学した経験がある。また新しい国防相には、旧アサド政権との戦闘を指揮したシリア解放機構の幹部のアブカスラ氏が任命された(ロイター通信などより)。シリア国営通信は21日、“アブカスラ新国防相がジャウラニ指導者と共に国内の各武装勢力の代表と会談し、新たな政府軍の整備に向けて協議した”と伝えている。暫定政権はこれまでのところ、シリア解放機構の関係者が相次いで重要ポストに就いた形。米国のワシントンポストは、米国政府がシリア解放機構に対し“多様な勢力を受け入れた包括的なものになれば、テロ組織の指定解除を検討する考えを伝えた”と報じている。このため、暫定政権が今後、国際社会からの求めに応じて少数派や女性を起用した国民融和の内閣を発足できるかが焦点となっている。