シリアで独裁的なアサド政権が先月8日に崩壊してまもなく1か月。NHKの取材班が6日、レバノンから陸路で国境を越え、シリアに入った。かつて市民の動向に警察官や治安部隊が目を光らせていた街に変化が見られた。国境の検問所。家財道具を積んだトラックや家族連れが次々に国境を越えていた。これから国境を抜けてシリア国内に入っていく。ダマスカスに向かう道路沿い。こちらにはかつて検問所があったが今は解体工事が行われている。そしてこちらにはアサド政権の部隊の戦車が今も残されている。政権崩壊前、至る所に掲げられていたアサド前大統領のポスターは、破られたり、取り外されたりしていた。ダマスカスに入ると多くの商店やレストランが通常どおり営業していて、通りは大勢の買い物客などでにぎわい、車の激しい渋滞も起きていた。かつては多くの警察官や治安部隊が市民の動向に目を光らせていたが、今ではそうした姿はほとんどなくなっている。治安部隊への入隊を希望する人たち。暫定政権がアサド政権下で市民を弾圧してきた治安部隊を解散させ、新たな部隊の創設を進めている。シリアでアサド政権が崩壊してまもなく1か月。国際社会が復興支援にどう関与していくかも課題となっている。こうした中、暫定政権のシェイバニ外相は6日、UAEの首都アブダビを訪れ、アブドラ外相と会談した。シェイバニ外相は今月に入って、サウジアラビアやカタールといった湾岸諸国を相次いで訪問していて、内戦で荒廃した国の復興に向けて、支援を取りつけるねらいがあると見られる。