俳優・長塚京三さんはフランスの大学に在学中に銀幕デビュー。1995年にウイスキーのCMに出演し、これがきっかけでブレイクした。来週公開予定の主演映画「敵」での演技が評価され、去年11月の「第37回 東京国際映画祭」では最優秀男優賞を受賞した。映画は、老いた男のもとに敵がやって来るという不穏なメッセージが届いたことで穏やかな生活が徐々に変わっていく様子を描いた作品。長塚さんにとって12年ぶりの主演作となった。長塚さんは「死に至る衰弱などを体現するのは精神的にきつい。気持ちがうつうつとしてくる。そうではないものにするためには俳優の力が必要。それが演技なんだと思う。もうあと何十本も撮れるわけではないと思うので、晴れがましい映画祭で賞をとれたことは単純に嬉しい」などと話した。長塚さんは現在79歳。50年という長きにわたり俳優として歩んで来た長塚さんが大切にしている言葉は「短気は損気」。長塚さんは「僕は短気でそれがこの年になってもなかなか直らない。短気だと自分も結局無駄に疲れてしまうのでいいことが一つもない。短気を直そうすることは自分にとって戒めとなっている。死ぬまでには直したい」などと話した。
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