ライシ大統領の葬儀は21日、墜落現場から近いイラン北西部タブリーズで行われた。国営放送の映像では、死亡したライシ氏やアブドラヒアン外相らのひつぎを乗せた車両がゆっくりと市内を進み、大勢の市民が通りを埋め尽くした。葬儀は23日まで首都テヘランなど各地で執り行われる予定。今回のヘリコプターの墜落について国営メディアは、濃い霧など山岳地帯の悪天候が事故に繋がったと伝えた。こうした中、ロシアのラブロフ外相は21日、「米国の制裁によって部品を入手できず、機体の安全性が下がった」と主張し、制裁が人々の命を危険にさらしていると非難した。当面大統領の職務はモフベル第一副大統領が代行し、国営メディアは来月28日に後任を選ぶ大統領選挙が行われると伝えている。米国やイスラエルとの対決姿勢を貫く、最高指導者・ハメネイ師のもとで外交政策に大きな転換はないと見られるが、政権内部の権力闘争が活発になる可能性もあるという。