永久凍土の中はどうなっているのか。アメリカ軍が研究のために掘って作った研究施設。トンネルでは約1万年~4万年前の様子を見ることができる。永久凍土の大部分は凍って固まった土で有機物が沢山含まれている。トンネルの壁には動物の骨や草。永久凍土は大昔の生き物を閉じ込めるタイムカプセルのような役割を果たしている。更には永久凍土の中に閉じ込められた氷の層。こうした氷の中から「バクテリア」が発見されているという。約3万年前から凍っていた可能性があり、これまで知られていない新種であることも分かった。こうした未知の生物や微生物は人類にとってリスクとなる可能性がある。実際に永久凍土から細菌が解き放たれたのではないかと注目された出来事がある。2016年、ロシア・シベリアで生物兵器にも使われる「炭そ菌」に子どもが感染して死亡し2000頭以上のトナカイが死んだ。海外メディアでは過去に炭そ菌に感染して死んだ動物の死骸が温暖化で地表に現れ感染が広がったのではないかと報じられた。欧米の研究チームはごく僅かな確率で過去に存在したウイルスが現在の生物に大きな影響を与える可能性があることが分かったと発表。研究者はこうしたリスクを回避するには永久凍土が溶けるスピードを遅らせるしかないと指摘している。