中国内陸部の重慶市は人口3000万人を超える世界最大都市だ。その中心部からすぐ近くの山道を進むと11軒の火鍋店がある「火鍋の山」がある。重慶市は火鍋発祥の地といわれ、市内には3万6000店の火鍋店がある。日本でも人気の火鍋だが、本場では鍋の殆どを唐辛子が埋め尽くしている。重慶市民は”火鍋を食べすぎるから胃腸科の病院が多い”と話す。市内には火鍋関連の企業が2万社あり、唐辛子の出荷量も増えている。これに目をつけた重慶市政府は今年2月「国際火鍋都市」を目指す政策を打ち出した。重慶の火鍋産業を3年後に10兆円規模に成長させ、市に入る税金の大幅増を目指すという。政策としては広大な敷地に火鍋の食材を集める加工・流通センターを建設してコストを削減したり、火鍋職人の資格制度をつくり育成とレベルアップを測ったりなどする。火鍋政策は重慶市の財政難から来ている。市には約25兆円の借金があり、市営鉄道の工事が止まったりなどしている。中国の地方政府の借金は計2000兆円近くにのぼるといわれている。中国政府は危機感を抱き、地方政府に新たなインフラ工事の中止などを指示しているという。