アメリカのトランプ大統領との会談が物別れに終わったウクライナのゼレンスキー大統領。このあとロンドンで始まるヨーロッパ各国の首脳らとの会合に出席する。会合では、停戦実現後のウクライナの安全保障の在り方などについて話し合われる見込みだが、今回の事態を受けて、アメリカとウクライナがどう関係を修復していくかも議論されるものと見られる。激しい口論となったトランプ大統領とゼレンスキー大統領の会談。アメリカ国内での受け止めは分かれている。ロシア外務省のザハロワ報道官は声明を出し、ゼレンスキー大統領のアメリカ訪問について“政治的、外交的に完全な失敗だ”と主張した。トランプ大統領との会談のあとゼレンスキー大統領は、ロンドンでイギリスのスターマー首相と会談した。イギリス政府は、ロシアの凍結資産を活用した22億ポンド余りの追加融資を決め合意文書を交わした。ウクライナを支える動きはドイツでも。ベアボック外相は1日、およそ30億ユーロの追加支援を実行したい意向を示した。一方で、ハンガリーのオルバン首相がEUのコスタ大統領に書簡を送り“停戦に向けたロシアとの直接協議に乗り出すべきだ”と主張したという報道も(ロイター通信など)。オルバン首相はトランプ大統領と良好な関係にあり、これまでEUのウクライナ支援に反対している。またNATO(北大西洋条約機構)のルッテ事務総長はゼレンスキー大統領に対し、“トランプ大統領との関係修復を図るよう促した”と明らかにした。ゼレンスキー大統領はこのあと、ヨーロッパなど15か国の首脳らが集まる会合に出席する。会合では、停戦が実現したあとのウクライナの安全保障の在り方などが話し合われる見込み。