認知症のある人にも暮らしやすいまちを目指す福岡市では、実際に当事者の困りごとを聞きながらその声をまちづくりに生かしている。認知機能が低下した方に有効な「認知症デザイン」は福岡市の公共施設や地下鉄などに導入されている。さらに、日常生活に使う道具にも声を取り入れようとしている。市は働きたいと望む認知症当事者をオレンジ人材バンクに登録、ニーズを聞いて商品開発に生かしたいという企業と交流する場を設けている。当事者の立場から商品開発に協力するノブ子さんたっての希望を生かしてできたガスコンロは火の回りを黒に統一して炎を見えやすくし、消し忘れたら自動で消火する機能もついている。料理好きなノブ子さんだが医師から「危ないからガスは使ってはだめ」と言われていたが、実証実験を繰り返し認知症の人でも安心して使えるガスコンロが完成した。