11月の米国大統領選挙に向けた共和党の党大会は18日最終日を迎え、大統領候補に指名されたトランプ前大統領がこの後、指名受託演説を行うことになっている。トランプ氏は銃撃事件を受けて全面的な書き換えを行い、演説では団結を強調する方針。関係者からはトランプ氏はいつもとは違う顔を見せるかもしれないとの声が上がっている。団結への呼びかけは実はもともとバイデン大統領がトランプ氏の民主主義に対する脅威を訴える際にたびたび使っていた言葉。演説でトランプ氏は共和党だけではなく、国民全体の結束を促すことに焦点を当てる見通しで、ある共和党関係者は「トランプ氏の演説は現職の大統領よりも大統領らしい演説になる」と話している。また別の関係者はトランプ氏が演説で、死の淵をさまよった経験がみずからにどのような影響を与えたかについても語るとしていて、トランプ氏の政治生活で最高の演説になるのではないかと強調していた。トランプ氏としてはこの演説をきっかけに共和党支持者以外の有権者に対しても支持を拡大するまたとない機会として捉えている。銃撃事件後、米国では政治的な暴力への非難が党派を超えて高まり現在トランプ氏が世論を味方につけている状況。トランプ氏としては無党派層だけではなく、バイデン続投へ懸念を持つ民主党支持者にも響く演説としたい考え。共和党の支持者からは、挙党体制制を演出する共和党と足並みが乱れる民主党を比較することすらできないと冷ややかな声が聞かれた。バイデンが仮に選挙戦から撤退すれば民主党内の混乱は必至。共和党側もこうしたバイデンの動向が選挙戦の結果を左右するとして注視している。