米国大統領選挙でトランプ前大統領の優勢が伝えられる中トランプ政権になった場合の日本への影響について、大手企業のトップに聞いた。経団連の夏季フォーラムの会場には、今年は企業トップら40人近くが集まって議論を進めている。集まった経営者たちの間で話題に上がったのは、銃撃事件を乗り越えて支持率を伸ばしたトランプ前大統領。大統領選で当選確実「確トラ」とまで言われている。この観測に経済界の受け止めは。経団連・十倉雅和会長は「ナショナリスティック(国家主義的)な政策が世界で起こっている。より強まったりすると一般論として好ましくないかもしれない」、野村ホールディングス・永井浩二会長は「(米国の)対中関係がどうなるか。結局日本も影響を受けることになる」と述べた。すでに為替市場ではトランプ勝利を見越した動きも出ている。18日にはドル高円安を懸念する発言が報じられ、一時1ドル=155円台まで円高が進んだ。三井物産・安永竜夫会長は「行き過ぎた円安。日米両当局もそう考えている」と述べた。歴史的な円安は潮目が変わるのか。三井住友銀行・高島誠会長は「(年末にかけて)140円台に進んでいくことは十分あり得ると思っていた。その兆しが出ているのでは」と述べた。