バイデン大統領が大統領選挙からの撤退を表明。現職大統領が選挙戦の途中で撤退するのは56年ぶり。国際部解説委員・富田徹が解説。ポイントは「家族会議で撤退決断…決め手は」、「“後継指名”ハリス氏とは」、「トランプ氏にとって有利に?」。バイデン大統領は直前まで大統領選挙を戦う意欲を見せていたが、CNNによると週末に家族会議を開いて撤退の是非について話し合い21日に最終決定したと伝えていて、ハリス副大統領も発表当日に知らされたという。決め手について米国メディアは、民主党支持の俳優・ジョージクルーニー氏やオバマ元大統領など大物から次々と撤退を求める声が上がっていたほか、大口献金者から資金提供停止の表明があり、こうした圧力に耐えきれなくなったこと、世論調査で競り合っていた州や民主党がやや有利な州でも負けているという結果を見て決めたことを指摘している。ハリス副大統領は59歳。移民2世で父親はジャマイカ出身、母親はインド出身ということでマイノリティーの人々の票が獲得しやすいとみられている。ただ、民主党内で影響力のあるオバマ元大統領はハリス氏を支持するコメントをまだ出していないうえ、経験不足を指摘する声もある。CNNは、トランプ氏がバイデン大統領が撤退を表明したあとの取材で「ハリス氏のほうがバイデン氏より倒しやすいというふうに答えた」と伝えている。今後の焦点は来月の民主党大会と、指名後に行われるテレビ討論。