米国民主党の大統領候補に正式氏名されたハリス氏が、ミネソタ州知事のワルツ氏を副大統領候補として起用し、初めて選挙集会をそろって開いた。ハリス氏がワルツ氏のお披露目に選んだのは、ペンシルベニア州フィラデルフィアの大学。ペンシルベニア州は、トランプ氏が銃撃を受けた、まさに象徴的な場所である一方、民主党・共和党とともに激戦州の中でも、選挙の勝敗を大きく左右する重要な州として位置づけている。かつては高校の教師だったワルツ氏は、連邦議会の下院議員を経て2019年に、中西部ミネソタ州の知事に就任した。ミネソタ州に隣接し、激戦となっているウィスコンシン州や脱工業化が進むミシガン州などの中西部、いわゆる、ラストベルトでの支持拡大を狙っている。また、ハリス氏が検察出身で、上から目線とも批判される中、ワルツ氏には、親しみやすさから労働者や農民票などにも支持を広げる期待が集まっている。さらに、共和党のトランプバンス陣営が強固な支持層に強く訴えかける戦略である中、ハリス・ワルツ陣営はあえて特定層に訴えるのではなく、寛容さを強調している。ワルツ氏が知事を務めるミネソタ州自体は激戦州とはいえないが、ワルツ氏は農村部を地盤とし、米国中西部の地方の実情をよく知る人物とされている。そのため同じ中西部もトランプ氏が支持獲得を図る激戦州のウィスコンシン州やミシガン州など、いわゆるラストベルトでの得票が期待されてる。トランプ氏は、すでにワルツ氏のことを、ハリス氏と同様、危険なリベラル過激派だと訴えて、攻勢を強めている。トランプ氏としては不法移民やインフレの問題は、民主党政権自体の問題となによりハリス氏が副大統領として3年半もの間ほとんど実績がないことを強調する考え。