ソシエテジェネラル証券・剱崎仁さんの解説。米国大統領選まであと1週間。米国10年債金利がわずかに上昇している。剱崎さんは「10年金利のこの変動要因は大きく分けて2つある。1つは将来の政策金利の予想である期待政策金利。もう1つは債券を長期に渡って保有するリスクに応じた上乗せ金利であるタームプレミアム。9月の半ばから10年金利は0.7%ポイント上昇、期待政策金利は0.2%ポイントの上昇にとどまっているがタームプレミアムは0.5%ポイント上昇している。期待政策金利は9月の雇用統計で強い雇用の伸びが発表され一気に0.2%ポイント上昇、そのあとは横ばい。期待政策金利の上昇は足元の景気が想定以上に底堅く推移していることが背景。一方で0.5%ポイント大幅に上昇したタームプレミアム要因の上昇の背景にはトランプ氏の支持率の上昇があると考えられる。トランプ氏の支持率とタームプレミアム要因の動きを合わせると10月以降ともに上昇。トランプ大統領そして両院共和党となる場合、対GDP比での財政赤字の見通しが上昇している。上院は引き続き共和党が勝利する可能性が高い。トランプねじれ議会では関税だけが引き上げられ減税が実行できない。成長率が低下するリスクがある。マーケットとして一番好感できるシナリオはハリス氏ねじれ議会で、比較的成長率も安定しておりインフレ率も関税を上げていないので非常にバランスの取れた状態。関税を上げること、財政懸念がどこまで重しになるか」などと述べた。