北朝鮮は今回の米国大統領選挙の結果について、まだ何の立場も示してはいない。直ちに米朝関係を変えようとするのではなく当分は状況を見守っていくものと予想されている。北朝鮮メディアは米国大統領選挙でトランプ氏が勝利したことをまだ報じていない。北朝鮮は以前も数日、長ければ2か月以上たってから米国大統領選挙の結果を伝えていた。金正恩総書記がトランプ氏との関係を内外に誇示するために祝電や親書を送る可能性もあるとみられている。ただ、北朝鮮は直ちに米朝関係の改善に動くことはないものとみられている。トランプ氏は今年7月、北朝鮮について「私が戻ったら金正恩総書記とうまくやる。彼も、私の復帰を望んでいる」と述べている。北朝鮮は当時、この言及について実際的には肯定的な変化がもたらされてはいないとした他、以前も米朝間の合意が破棄されたことに触れ警戒している態度を示している。米国と北朝鮮の状況も変わってきている。北朝鮮の核ミサイル技術は一層高度化している。米国もトランプ氏が大統領だった当時は北朝鮮の非核化が優先視されていたが、現在はウクライナや中東などでの武力衝突への対応が急がれている状況。北朝鮮問題の専門家は「トランプ政権の方から北朝鮮が望むようなシグナルを送れば反応はするだろうが、当分は模様眺めに徹するだろう」とみている。ウクライナへの侵攻を続けるロシアへ大規模な部隊を派遣するなど前例のない蜜月ぶりも米朝関係に変化をもたらすものと分析されている。