米国でテロや政府職員の汚職などを捜査するFBI連邦捜査局。トランプ次期大統領は、組織の新たなトップに「FBI本部は閉鎖すべきだ」と主張する人物の起用を発表した。FBI長官への起用が発表されたカシュパテル氏。トランプ氏の熱烈な支持者で、選挙期間中、各地の集会に参加して演説を行うなどしていた。FBIについて「トランプ氏を弱体化させるために権限を悪用している」と非難してきたとも報じられている。“私の個人的な提言は、FBI本部のビルを閉鎖し、翌日から博物館として開放すること”という発言もあった。FBI長官の任期は大統領の任期より長い10年。米国メディアは、政治的圧力にさらされないよう、複数の大統領の任期にわたるようにするためだと伝えている。現在長官を務めているのは、クリストファーレイ氏。7年前にトランプ氏みずからが起用した人物だが、任期途中で解任されるか、辞任を求められることになる見通し。レイ氏が率いるFBIは、トランプ氏が1期目の退任後、最高機密を含む文書を不正に保管していたなどとして自宅を捜索。トランプ氏はレイ氏に対する不信感を募らせ、再び大統領に就任すれば解任を検討していると報じられていた。今回起用が発表されたパテル氏は、トランプ氏に忠誠を誓わない政府職員の包括的な一掃が必要だという考えも示している。パテル氏についてトランプ氏は声明で、“米国で広がる犯罪のまん延を終わらせ、FBIに忠誠と勇気、そして誠実さを取り戻すために働くだろう”としている。