テーマは「投資サイクルで見るトランプかく乱相場」。楽天証券経済研究所の田中泰輔さんに話を伺う。アメリカの景気や株価、金利などにはサイクルがある。しかし最近はトランプ大統領の突飛で朝令暮改の関税政策によって、投資家の目線も泳いでしまう。そこで、投資サイクルの現在地をもう一度考えてみてはどうか。現在の株式市場はトランプによる人災相場の様相。アメリカ国債については、景気とインフレ高のリスクがある。為替はドル相場は金利に逆行している展開。そんな中で投資家は指針を失っている。コロナの時の金融政策が尾を引く中、生成AIというテーマが出てきて、これにより更に株が上がるという展開になった。こうした早い高い相場は自立調整で落ちる場面があるが、落ちてくるときにトランプの人災相場関わってきている。コロナ・AI・トランプと人生でめったに出会えない相場に出会い続けている状態だと解説した。予想されるサイクルによると今後は景気悪化という悲観シナリオになるのか?今後の相場シナリオについて田中さんは高関税で景気は悪くなるからインフレは一時的。2026年の中間選挙に向けてトランプ大統領は現在や規制緩和などの市場をサポートする方向に軸足を移していくのではないか。逆業績相場が比較的短く金融相場に移るシナリオもあるのではないかと話した。現状は異常な不確実性の下にあり、心理的に過剰に振れやすい。株・債権・為替を見ていちいち解釈しようとしたり、リーマン級危機が来るとかの言葉で本来見るべき基礎的な諸条件を見失いがち。投資サイクルを軸足に定めると柔軟に何が起こっているか見定めることができる、などと述べた。