トランプ大統領とシャラア暫定大統領の会談が実現すれば、アメリカとシリアのトップ会談は、2000年、当時のクリントン大統領とアサド大統領がジュネーブで会談して以来となり、アメリカのシリア政策の大きな転換となる。シリアは、長年の内戦で疲弊した経済の立て直しが課題。暫定政権側は、欧米がアサド政権に科してきた経済制裁の解除を求めてきた。アメリカに対し、石油会社のシリア国内への誘致、イスラエルとの緊張緩和、ダマスカスでのトランプタワー建設を持ちかけてきたとされ、ガーディアンは、トランプタワー建設は、共和党上院議員が暫定政権側に入れ知恵したものだと伝えている。望月は、トランプ大統領の趣向をうまく捉えたシリア側からの提案に、トランプ大統領が乗ってディールに進む可能性があるなどと話した。アメリカによる制裁解除は、国の再建にはずみをつけるものとなる。ヨーロッパが制裁解除に追随するきっかけにもなり、暫定政権は歓迎している。様々な火種を抱える中東地域の安定にとっても、シリアの安定は重要。シャラア暫定大統領は、戦後、アメリカが推進した「マーシャル・プラン」のような計画を中国などの企業に欧米企業が勝利して進めるビジョンをトランプ大統領と共有したい意向だという。トランプ大統領の中東訪問はアメリカへの投資拡大が主な目的だが、シャラア氏との面会は、アメリカの中東地域への影響力強化という意味合いを強める動きになりそうだ。