村上龍は今日の総括に20年くらい前の夏、渋谷で夕立が来た。ドンキの店頭にビニール傘が売っていた。マジックで黒々と100円と書いてあった。すぐ買った。夕立が来たのとビニール傘はほぼ同時だった。今考えると誰が用意したのだろうと思う。創業者が書いた「源流」の企業原理は「顧客最優先主義で、第3条は「現場に大胆な権限委譲をはかり」とある。店のバイトがビニール傘を用意し100円という値段を決めたのだ。このエピソードは、ドンキの全てを象徴している。売上高は2兆円。その全ての努力は、バイトが用意したビニール傘が担っている。とした。