取材に当たっているニューデリー支局の味田村支局長に聞く。与党は大幅に議席を減らしたということだが、どうしてなのだろうか。意外だったのは与党がこれまで大票田としていたヒンディーベルトと呼ばれるヒンディー語主体の州でも大幅に議席を減らしていること。中でも北部ウッタルプラデシュ州は人口がおよそ2億4000万人と最も多い州なのだが、ここではことし1月にモディ政権の主導で大規模なヒンドゥー教の寺院も完成させていて支持層へのアピールも万全なはずだった。ところが5年前の前回の総選挙では62議席だったのに対して今回は33議席と半分近くに減った。この州はインドでも最も貧しい州の一つなのだが、モディ政権が経済格差を拡大させたという野党連合の批判が経済発展に取り残された人たちに支持されたと見られる。今回の選挙結果だが、モディ政権にどのような影響を与えるのだろうか。モディ首相は昨夜の演説で3期目の政権維持に意欲を示したが、求心力の低下は避けられない情勢。一方、議席を大きく伸ばした野党連合は政権樹立を目指して連立与党側の少数政党の取り込みを図ってくる可能性もあると見られ、連立交渉の駆け引きが激しくなりそう。そしてインドには多くの日本企業が進出をしているが、インドの株価指数はビジネス重視だった与党の議席減少を受けて5.74%下落した。モディ政権が3期目の政権を維持できても政局の混乱は続く可能性があり、事態を注視していく必要があると思う。