今年5月末、国立環境研究所の研究員で、生物多様性の研究者である深澤さんと石濱さんがやってきた。深澤さんは放棄された里山にどれくらいの生き物が残っているかを研究しており、石濱さんは絶滅危機にある植物の保全などについて研究しているという。今回は植物を中心に里の多様性を調査する。大事なのは過去にここがどのような土地だったかを知ること。過去の航空写真を見ると、かがくの里の隣は40年前まで棚田だったことがわかった。古くから生えていた植物がどれだけ自生しているかが生物多様性が保たれているかの目安になる。過去に棚田だった場所には沢が流れ、6月になるとホタルが見られる。田んぼ周りの雑草は草原性植物が多く、そうした植物は人に刈られることで生きてこられた。近年は田んぼの放棄が進み、あぜがコンクリート整備されたことで草原性植物も消えつつあるのだという。